■手動運転補助装置FC-B型/ドアストラップ/室内クレーン/
アシストバー/シートサイド加工/コンソールボックス加工/
右ワイパーレバー
取付車種:トヨタ タンク DBA-M900A
今回のお客様は、下肢が不自由に加え、上肢の力も少なく、運転席への移乗が難しい方です。
運転するには、3つの問題があり、
①運転席への移乗
②運転操作
③車いすの収納
この3つを解決しないとご自身で運転し、行きたいところへは行けません。
そこで、順に問題を解決するために打ち合わせに時間をかけ、お客様が可能なことと難しいこと
の選別から行いました。
まず、問題①の運転席への移乗ですが、従来のトランスファーボードでは、上肢の筋力が足りず、
難しいということでしたが、助手席昇降シート車への移乗は可能ということで、運転席へは
助手席から乗り、運転席へ移動するという方法で解決しました。
そこで、助手席シートが昇降するタイプのベース車両をお選びいただくのですが、天井高が低かった
り、運転席への移乗のスペースにゆとりが少ないクルマだと助手席から移動できません。
また、問題③の車いすを収納する為の室内クレーンでもある程度の高さが必要です。
そこで、今回お選びいただいたのが、トヨタのタンクです。
もちろん、運転席から助手席に移動するにあたり、運転席から助手席の天井にアシストバーを設け、
足がひっかかるセンターコンソールボックスも撤去します。また、助手席のシート脇の盛り上がりも
おしりがひっかかるので、平らにし、運転席と助手席間の移動を可能にします。
そして、問題②の運転操作ですが、当初、運転席からの乗り降りはないとのことと、運転席と助手席
間の移動の際に従来の左手で操作する運転補助装置ではなく、右側に手動運転補助装置を取付する予定
でしたが、タンクの構造上、右への取付けが難しく、左手で操作する方法を取りました。
ただ、シート間の移動に極力邪魔にならないように、より低く、そしてより前に取付することになりま
した。
問題③の室内クレーンですが、従来、運転席後ろに取付するケースが多いですが、今回は助手席からの
移乗ということもあり、助手席後ろに取付し、昇降シートへ移乗してからの、車いす収納操作を行い
ます。
そして、助手席のドアがシートが上昇してしまってからでは、手が届かないので、ドアストラップを
お取付し、シートに座ったままで、全開の助手席ドアを閉めることができるようにしました。
改造後の写真
問題①の解決
問題②の解決
問題③の解決